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同人誌のフォントサイズ完全ガイド|本文の文字級数の決め方

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同人誌のフォントサイズ完全ガイド

原稿は書き終えたのに、本文の文字をどのくらいの大きさにすればいいか分からず、いざ組版の段になって手が止まってしまう。大きすぎると幼く見える気がするし、小さすぎると読み手に申し訳ない。そんな迷いで入稿直前に固まってしまう人は珍しくありません。先に答えに触れておくと、小説同人誌の本文は文庫サイズで8級から9級、A5サイズで9級から11級あたりが読みやすい標準です。あとは行間と余白を合わせて整えるだけで、市販の本に近い読み心地になります。ここからは、サイズの単位の話から具体的な数字まで、初めてでも自分の本に合う文字の大きさを決められる順番で確認していきます。

目次

同人誌のフォントサイズはどれくらいが標準か

まず全体像をつかんでおきましょう。小説同人誌の本文に使う文字の大きさは、本のサイズによって適正な範囲が変わります。判型が小さいほど文字も小さめに、大きいほど少し余裕を持たせるのが基本です。

文庫サイズ(A6相当)なら本文8級から9級が標準です。市販の文庫本もこのあたりに収まっています。A5サイズなら9級から11級が読みやすく、ページに対して文字が小さく見えにくい範囲です。新書サイズはその中間で、8.5級から10級を目安にすると収まりがよくなります。

漫画同人誌の場合は本文という概念がなく、セリフのフォントサイズが主役になります。セリフは級数で固定せず、コマの大きさや感情に合わせて変えるのが普通なので、小説とは考え方が別になります。この記事では主に小説本の本文サイズを扱います。漫画のセリフ周りで迷っている人は、後半の関連リンクから入稿データの作り方を確認してみてください。

級数とポイントの違いを先に整理する

フォントサイズで混乱しやすいのが、単位が二種類あることです。同人誌の組版では「級(きゅう)」と「ポイント(pt)」という二つの単位が混在しています。ここを先に整理しておくと、印刷所のテンプレートやワープロソフトの設定で迷わなくなります。

級は日本の写植から続く単位で、1級は0.25ミリです。文字の大きさを細かく刻めるため、書籍の組版で長く使われてきました。一方ポイントはDTPで標準的な単位で、1ポイントはおよそ0.35ミリです。同じ数字でもポイントのほうが一回り大きくなる点に注意が必要です。

換算の目安として、おおまかに「級数の0.7倍がポイント」と覚えておくと実用上は足ります。たとえば本文によく使う9級は、ポイントに直すとおよそ6.4ポイントです。Wordなどで作業する人はポイント表示が基本なので、級数で考えた数字を一度ポイントへ置き換えておくと設定がぶれません。

文庫サイズの同人誌のフォントサイズ

文庫サイズは持ち運びやすく、初めての小説本で選ばれやすい判型です。ページが小さいぶん文字も小さめに組むのが自然で、本文は8級から9級が王道です。

8級はぎゅっと詰まった大人っぽい印象になり、ページあたりの文字数を稼げます。長編をできるだけ薄く収めたいときに向きます。9級は市販文庫より少しだけ大きく、読み手の目に優しい安心感のあるサイズです。初めての一冊なら、まずは9級から試すと失敗が少なくなります。

注意したいのは、文庫サイズで10級以上にすると一気に余白が窮屈になる点です。文字が大きいと一行に入る字数が減り、改行が増えて間延びして見えます。読みやすさを狙ったつもりが逆効果になりやすいので、文庫では9級を上限の目安にしておくと安全です。

A5サイズの同人誌のフォントサイズ

A5サイズは文庫より一回り大きく、ページに余裕があるぶん文字も少し大きめに組めます。本文は9級から11級が読みやすい範囲です。

10級前後を選ぶと、行に適度な字数が入りつつ文字も読みやすく、もっともバランスが取れます。視力に不安のある読み手が多いジャンルや、年齢層が高めの本では11級まで上げても窮屈になりません。逆に8級まで小さくすると、A5の広いページに対して文字が頼りなく見え、余白ばかりが目立ってしまいます。

A5は二段組にするか一段組にするかでも適正サイズが変わります。二段組にすると一段あたりの幅が狭くなるため、文字は9級前後に抑えたほうがおさまります。一段組のゆったりした組版なら10級から11級が映えます。自分の本をどちらで組むか先に決めてから級数を選ぶと、後戻りが減ります。

フォントサイズと一緒に決める行間と余白

文字の大きさだけを決めても、読みやすい本にはなりません。フォントサイズは行間(行送り)と余白とセットで初めて意味を持ちます。同じ9級でも、行間が詰まっていれば窮屈に、空きすぎていればスカスカに見えます。

行間の目安は、文字の大きさのおよそ1.5倍から1.75倍です。9級の本文なら行送りは14級から16級あたりが落ち着きます。行間が文字サイズの1.5倍を切ると行同士がくっついて読みづらく、2倍を超えると一行ごとに視線が迷子になります。この範囲を外さないことが、読み心地を大きく左右します。

余白(マージン)は、ノドと呼ばれる綴じ側を広めに取るのが鉄則です。製本すると綴じ側の文字が奥に入り込んで読みにくくなるためです。文庫なら綴じ側15ミリ前後、小口側10ミリ前後を確保すると、開いたときに文字が窮屈になりません。本文サイズを決めたら、必ずこの三点を一度に確認してください。

読みやすさを下げるフォントサイズの失敗例

ここまでの数字を踏まえて、初めての本でやりがちな失敗を先に潰しておきましょう。事前に知っておくだけで、入稿後に「読みにくい本になってしまった」と後悔せずに済みます。

一つ目は、本文を大きくしすぎる失敗です。読みやすさを狙って11級や12級にすると、文庫では一行の字数が減って改行だらけになり、かえって幼い印象になります。読みやすさは文字の大きさそのものより、行間と余白のバランスで決まると覚えておいてください。

二つ目は、ルビや注釈まで本文と同じ大きさにしてしまうことです。ルビは本文のおよそ半分の級数(本文9級ならルビ4.5級前後)が標準です。同じ大きさだと行間を圧迫し、紙面がうるさくなります。三つ目は、見本を画面だけで判断することです。モニター上では適正に見えても、紙に印刷すると体感サイズが変わります。入稿前に該当ページだけでも一度プリントして、実寸で確認する習慣をつけると安心です。

使うフォント(書体)選びの基本

サイズと並んで読み心地を決めるのが書体です。本文には可読性の高い明朝体を選ぶのが基本で、これは市販の小説本がほぼ明朝で組まれていることからも分かります。

明朝体は縦書きの長文を読むのに適しており、長時間読んでも目が疲れにくい特徴があります。ゴシック体は視認性が高いぶん、長い本文に使うと黒みが強く重たく感じられます。ゴシックは見出しや扉、強調したい一文に絞って使うとメリハリが出ます。

商用利用が許可された書体を選ぶことも忘れないでください。同人誌は無料配布でも頒布行為にあたるため、ライセンスで同人利用が認められたフォントを使う必要があります。OSに最初から入っているフォントでも商用条件が異なる場合があるので、入稿前にライセンス表記を一度確認しておくと安全です。

よくある質問

Q. 本文のフォントサイズに迷ったら、まず何級にすればいいですか。A. 判型で決めるのが早道です。文庫サイズなら9級、A5サイズなら10級から始めると、初めてでも大きく外しません。一度試し刷りをして、読みにくければ前後の級数に微調整してください。

Q. WordやGoogleドキュメントで作るとき、級数はどう設定しますか。A. これらのソフトはポイント単位なので換算が必要です。文庫の9級ならおよそ6.5ポイント、A5の10級ならおよそ7ポイントが近い値です。ただしソフトの自動行間は広めなので、行間設定も手動で詰めると本らしくなります。

Q. 文字が小さいと読み手に不親切ですか。A. 小さいこと自体が不親切とは限りません。市販文庫と同程度の8級から9級なら多くの読み手が問題なく読めます。大切なのはサイズ単体ではなく、行間と余白を含めた紙面全体の読みやすさです。

次のステップ

フォントサイズが決まったら、本全体の仕様を固めていきましょう。あわせて読んでおくと入稿がスムーズになる記事をまとめました。

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